しいなゆきこ『連休の介護でおもったこと』

五月の連休は、施設にいる義母を迎えに行き、義実家で過ごしました。

お赤飯を炊いて、我が家の味をいくつか。

煮物を並べたら「うんまっ!」って、笑顔でがっついてくれて。

そんな姿を見ると、なんだかホッとします。

そして今日は、毎年楽しみにしている菖蒲湯にも入れてあげました。

菖蒲には、殺菌作用や抗炎症作用もあるそうで、香りにも癒されます。

でも…また一段と痩せて、骨と皮だけになってしまった背中を洗いながら、

「あと何回、お風呂に入れてあげられるんだろう」って、ふと思って。

だからこそ、一回一回を、大切にしたい。


在宅介護を経験して思うこと 〜静かな現実と、これからの願い〜

夫の両親を在宅で介護していた数年間、私の暮らしは一変しました。

休みのない毎日。昼夜問わず、24時間体制での見守りとお世話。

誰かの命を預かることの重さを、静かに、確かに、受け止め続ける日々でした。

介護サービスは少しずつ増えてきたものの、

社会全体の“理解”は、まだまだ追いついていないように感じます。

介護の大変さは、想像を超えるものがあります。

とくに在宅での介護は、環境も体制も整っていないなかで、

まるで孤島のような場所から、大人ひとりの命と心に寄り添わなければなりません。

小さな子どもと違って、大人の介護は身体的な負担が大きく、

同時に、尊厳を守るという繊細なケアも求められます。

介護をしている側がどんな思いで向き合っているか、

それが見えにくいからこそ、理解されず、孤独を感じる場面も多いのです。

私自身、介護のために企業勤めを辞めました。

在宅ワークという道を模索しながら、なんとか「外」とつながっていたかったからです。

けれど、それでも生まれたブランクは、いまだに私の中で埋まらないまま残っています。

「なぜ、社会はもっと理解してくれないんだろう」

そんな想いを、何度も何度も抱きました。

だからこそ、今、声を大にして伝えたいことがあります。

「仕事は、できる限り辞めないでほしい」

介護をしながら働くことは、たしかに大変です。

でも、外の世界とつながっていることが、心のバランスを支えてくれます。

人と話すこと、自分の役割があること、

そうした“日常のあたりまえ”が、介護する側の心を守ってくれるのです。

介護の現実を、もっと社会全体が理解し合えたなら——

それだけで、どれほど多くの人の重荷が軽くなるでしょう。

家族を思う気持ちと、自分の人生を大切にすること。

そのどちらもあっていい。

そのどちらも、守られてほしい。

私はそう、心から願っています。

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