10月31日(土)、加工食品ジャーナリストの中戸川貢先生の講演会に参加してきました。

- 新型栄養失調って⁈
- 現代の食事から見るミネラル摂取量
- ミネラルって⁈
- 調理時短のミカタ⁈水煮野菜とカット野菜と冷凍野菜の正体
- スーパー惣菜とキミって本当に油なの?
- 添加物「リン酸塩」ってヤツは知らぬ間に・・・
- 発達障害の原因⁈
- 本当にコワイ人工甘味料
- じゃあ!どうしたら良いの?
◇新型栄養失調って⁈ 添加物って⁈
過去記事→しいなゆきこ『新型栄養失調のはなし』https://wp.me/p9J1io-oC
以前、ブログ記事にしたことがあるのですが、現代の栄養失調(新型栄養失調)というのは、お腹は満たされていていっぱいですが、命を営む上で必要とされている栄養素が不足しているために体の不調を起こしている状態のことをいいます。なかでもタンパク質や微量栄養素(必要量が微量である為このように呼ばれています)であるビタミンやミネラルの不足が深刻なのです。75歳以上の高齢者は、ほぼほぼ新型栄養失調であるといわれています。

タンパク質やビタミン・ミネラルが不足すると、どうして体の不調を起こすのか?
年齢や性別によって組成比率は異なりますが、ヒトの体の約60%は水からできています。次いで、タンパク質と脂質が約18%ずつ。身体を構成しているミネラルは約4%、炭水化物(筋肉や肝臓に貯蔵されているグリコーゲンなど)は1%にも満たないほんのわずかです。
人体は20種類のアミノ酸を組み合わせ体内で様々な材料として使われています。身体の構成成分としてあらゆるものにタンパク質が使われています。皮膚や筋肉だけでなく、血液もリンパ液も、骨も、消化酵素も、すべてタンパク質から出来ているのです。ですから、「タンパク質不足=身体の材料不足」となるのです。タンパク質が不足すると、筋力不足や反応不足(遅れ)になります。
そして、そのタンパク質の分解合成には、ビタミンやミネラルが補酵素として必ず存在しており、これらが不足するとタンパク質を分解したり、作る能力が低下してしまいます。よって通常はA→Bと処理される体内の作業が、A→B’、またはA→Cといったように通常の処理(反応)がされず、それがやがて体の不調として症状に現れてくるのです。
では、どうして十分にお腹いっぱい食べているのに、カロリーは足りているのにタンパク質やビタミン・ミネラル不足になってしまうのでしょうか。
○一人暮らしで、毎日全食コンビニです
○スーパーのお惣菜をよく利用しています
○時短調理で冷凍食品やカット野菜や水煮野菜を利用しています
○外食が多くて、よくファミレスを利用しています
○高齢者向けの宅配給食を利用しています
こういった方々は要注意です!おそらく足りてません。
なぜだと思いますか?
1.コンビニ食やスーパーのお惣菜に使われている「リン酸塩」(添加物)
リン酸塩は、白くて、プリプリっとして、とろ〜りとして、やわらか〜くする添加物です。ですから、お弁当のパッケージや食材に「とろ〜り」とか「やわらかく」とか「プリプリ」と表記されていれば原材料の表記を見なくてもリン酸塩が使用されていることがわかると中戸川先生はおっしゃいます。これって消費者にとって判別しやすい指標ですよね。「リン酸塩」はそのまま「リン酸塩」と表記されるだけでなく時々名前を変えて含まれています。(例えば、pH調整剤、ゲル化剤、イーストフード、メタリン酸塩など)リン酸塩が新型栄養失調を起こす理由は「ミネラル吸収阻害」を引き起こすからです。ただでさえ、現代人はミネラル不足と言われています。せっかく摂取しても、リン酸塩によって吸収を阻害されてしまえば元も子もないですよね。
2.冷凍食品・カット野菜・水煮野菜
冷凍野菜・カット野菜・水煮野菜は、その商品となる過程でミネラルを除去されてしまっているものがほとんどです。ですからせっかく「家族に野菜を🖤」とお料理に使っても、それは農薬もミネラルも全く抜けたただのカスと中戸川先生はおっしゃっていました。手間を省いたり、時間短縮、コストカットのために使用されることの多い加工野菜ですが、実は栄養素としての役割は果たせていないものがほとんどなのです。見た目だけ…とても残念。
これらのことから、ビタミンやミネラルは不足し、それによってタンパク質の分解合成の能力も低下してしまっているのです。カロリーは十分でも、知らぬ間にミネラル不足を引き起こしてしまうのです。

以上
「リン酸塩」を避けた買い物や食事というのはなかなか持続可能ではないため、その場合の対策として、「吸収阻害されてしまうのだから、それ以上のミネラルを摂取すること!」と中戸川先生はアドバイスしています。海苔・ゴマ・めざし・納豆・牛乳・豆腐などをプラスすることで、ミネラル不足を改善することができます。また、「カット野菜や水煮野菜を買わずに包丁を買ってください!」とユーモアたっぷりにお話しされていました。またどうしても使用する場合には、野菜の煮汁やベジブロス・ボーンブロスなどと一緒に使用することでミネラル補給がかないます。
ミネラルが不足するとタンパク質の分解合成の能力が低下するほかにも次のような症状が見られるようになります。
カルシウム:骨粗鬆症、肩こり、腰痛、神経過敏
マグネシウム:同期、不整脈、神経過敏、躁鬱症(うつ病)
鉄:鉄欠乏性貧血、疲れやすい、頭痛、動悸、食欲不振
亜鉛:成長障害、貧血、味覚障害、皮膚炎、性機能の低下
銅:貧血、毛髪異常、成長障害
マンガン:骨の発育不良、生殖能力の低下
クロム:糖尿病、脂質異常症
モリブデン:発がんの可能性
カリウム:高血圧、疲れやすい、むくみ、心疾患
「栄養の基本がわかる図解時点」ほか、栄養学の教科書より
このほかに低体温もよく見られます。ミネラルは体構成成分であり、生理作用を調節し、精神に影響します。
過去記事→しいなゆきこ『基礎代謝と体温』https://wp.me/p9J1io-o6

スーパーの揚げ物惣菜や油のラベルで「カラッと美味しい!」「胃もたれしない」などの表記のあるものは「ミネラル除去であると言ってるようなもの」と中戸川先生はおっしゃっていました。油の中の見慣れるは不純物とされていて、ミネラルが豊富な油はサラサラしておらず、揚げ物をしても焦げやすい(着色しやすい)のだとか。サラサラした油は「ミネラルゼロ油」の証拠であって、このミネラルゼロ油で揚げると白く綺麗な揚げ上がりだが、胃もたれや胸焼けを起こしやすいそうです。
「油っこくない」「油っぽくない」油に向かって「もっと油っこくていいんだよ!」「油っぽくないあなたは誰?」と語る中戸川先生のお話に会場は笑いに包まれます。
このミネラルゼロ油も残念ですが、もっと深刻なのはパーム油だとおっしゃいます。少し前までは国際的に「トランス脂肪酸」への危険信号が騒がれました。トランス脂肪酸というのは、もともと植物油(常温で液体)に水素を化学的に添加し、硬化油(常温でも個体)としたもののことで、この構造がプラスチックに酷似してることから、分解されずに体内に蓄積され健康被害につながると警告されていたものです。各国で改善措置が取られ、「トランス脂肪酸ゼロ」表示の商品を見かけるようになりました。でもでも、マーガリンとかって一体どうなっているの?と。実は、トランス脂肪酸の代わりにパーム油が代用されるようになったのだとか。
このあたりの油の話は私の得意とする分野です(笑)
パーム油は植物油ですが常温で固体なので飽和脂肪酸の分類になります。トランス脂肪酸はトランス型(自然界の二重結合はシス型)の二重結合のある不飽和脂肪酸のことなので、構造が全く異なります。

一番上の化学構造式が飽和脂肪酸です。炭素(C)が全て水素(H)と結合している状態の脂肪酸。図はパルミチン酸(炭素が16個)ですが、パーム油はラウリン酸(炭素が12個)なので、もう少し炭素鎖が短い(分解されやすい)脂肪酸になります。
下の二つの化学構造式は不飽和脂肪酸で、飽和脂肪酸と異なり、炭素(C)が全て水素(H)と結合されてはおらず、炭素(C)同士が結合(二重結合)された部分のある脂肪酸のことです。
飽和脂肪酸だし、酸化しにくいし、いいじゃん!と思われがちですが、実はこのパーム油を巡って環境破壊が起きているのです。
パーム油 私たちの暮らしと熱帯雨林の破壊をつなぐもの(2019/10/16)環境保全団体のwebページ
パーム油はヤシ油とは異なります。ヤシ油はココナッツの実からとれるココナッツオイルのこと。パーム油はアブラヤシの実から搾り取れる油です。パーム油は熱帯でしか生産できない油で、世界中から需要が増え続けているため、熱帯雨林への影響が問題視されています。絶滅の危機に瀕しているオランウータンはアブラヤシの実を食べて生活しているため、パーム油需要増加に伴って害獣として扱われたり、熱帯雨林の減少から命を奪っているのです。
なんだかとっても複雑な気持ちです。私たちが食べるための環境を破壊し、罪のない生き物を絶滅に追いやってしまっているという・・私たちは本当にパーム油がそんなに必要なのでしょうか。「バターのようなマーガリン」や「バター風味のマーガリン」を買うなら「バター」を買えばいいじゃない⁈
このパーム油の話の他にも、安く、美味しそうに見せて、利益をあげるために、様々な添加物が食材に仕込まれています。そんな不自然なものを食べ続けていれば、体に異変が起きても当然ですよね。
ミネラルは神経伝達物質の合成に必要なものです。これは私が「発達障害コンサルタント養成講座」の講師を務めさせていただいていた時に何度も話した内容です。

タンパク質(アミノ酸)からビタミンやミネラルを補酵素にしながら神経伝達物質が作られます。神経伝達物質とは情報を伝えるための電気信号のようなものです。興奮系(ドーパミン、グルタミン酸、アセチルコリン、ノルアドレナリン)と抑制系(GABA)と調整系(セロトニン)があります。これらがバランスをとりながら、情報を瞬時に伝えているのです。ミネラルが不足すると、この神経伝達物質の生産能力が一気に低下し、情報が瞬時に伝わらなくなります。その速度は新幹線の速度と自転車の速度の違いほどとも言われています。ちょっと反応悪いな…という場合はミネラル不足を疑ったほうがいいです。我が家の義母が罹患しているパーキンソン病もドーパミン不足から起きるものです。ミネラル不足になるような食生活でしたので腑に落ちます。
◇発達障害って⁈
中戸川先生が非常に興味深いお話をしていました。ある食品添加物と発達障害との関係です。
「リン酸塩」と「人工甘味料」という食品添加物は比較的歴史の浅いもので、1990年頃からよく使用されるようになってきたものです。2020年の今年は生誕20年記念にあたるとか。1990年頃から1日の摂取量がグンと増えてきて、その10年後の2000年頃から増えたのが発達障害。私(49歳)が子どもの頃には発達障害なんて言葉全くなかったです。ここ20年、よく聞かれるようになりました。使用されて摂取量が増えたと同時に増えた症状…発達障害。これって因果関係ありそうですよね。
中戸川先生が市民団体でモニター調査を行ったそうです。小学2年生男児(アスペルガー症候群の症状が確認)を対象に、液体出汁を毎日飲ませた結果、2週間後→16日後→2ヶ月半後→1年後に驚きの変化が見られたそうです。その子が書いた絵の変化をスライドで見せていただきましたが、びっくり!! 煮干の液体出汁が舌の感覚を戻し、本来あるべき体のはたらきを徐々に取り戻していく過程は本当に素晴らしい。
子ども自身の栄養不足だけでなく、母親の腸内環境によって子どもの自閉症となるリスクが決定されるというバージニア大学の研究結果も発表されていることから、妊娠前からママたちの栄養状態を整えることはとても重要になってくるのです。
◎野菜を自宅でカットする(ミネラルゼロ野菜よりもミネラルのある野菜を)
◎調理中の茹で汁を捨てない(ミネラルが溶け出しているから)
◎天然の出汁(鰹節より煮干)を
◎不足しがちなミネラルを補給する(ししゃも、海藻、牡蠣、田舎蕎麦、ナッツ、ごま、納豆、豆腐、他)
◎ミネラルの吸収率をあげよう(酸っぱいもの、酢の物プラス)
◎精製穀類よりもミネラル含有のものを(砂糖よりも粗糖、甜菜糖)
◎腸内細菌バランスを崩す人工甘味料は避ける
◎うまい棒は「やさいサラダ味」を選ぶ(笑)
たった2時間のお話でしたが、盛りだくさんで、どれも重要すぎて、ブログにも書ききれず・・。参加してすっごくよかったです!


