以前、ミネラル補給をすることで、義父の平均体温が上がりましたという記事を書きました。(過去記事はこちら→しいなゆきこ『基礎代謝と体温』)最近は粉物はむせてしまうので、違うアプローチをしています。
カラダは食べたものからできています。もっと言えば、食べたもの以外からカラダを作ることは出来ないのです。食事は生きるために当たり前のようにしていますが、実はそれによって今のあなたのカラダが作られていて、今食べているものが未来のあなたのカラダと運命を作るのです。大袈裟ではなく、それくらい食事は私たちの人生に関わっているということ。古来から、人はカラダが必要とする栄養素を食べ物を通して摂ってきました。今のように多くのことが解明されていないはるか昔から、カラダに必要なものがわかっていたのですから素晴らしいことですよね。先人たちが食べてきたものがカラダを作ってきて、子孫繁栄し、現代の私たちに受け継がれているというわけです。ですから、先人たちが食べてきたものが、現代の私たちのカラダの基礎となっているのです。

「食べたものがカラダを作っている」と考えれば、「食べたものでカラダを変えられる」と考えることもできます。もし今、何か体の不調を感じていたとするなら、それはカラダからのメッセージであり、SOS信号なのかもしれません。
義両親と同居後に始めた食事改善のひとつに、毎日の主食を「白米オンリー」から「白米にもち麦を混ぜたご飯」にしました。玄米も混ぜたいのですが、どうも高齢者には難しいようなので「もち麦」にしました。時にはそこに雑穀を混ぜたりしています。高齢者は食事の量が減ると同時にたんぱく質不足やミネラル不足になりがちです。幸い義父は、ご飯やお餅が好きなので、どうせ食べるならミネラルや食物繊維も一緒に摂ってもらおう〜♬作戦です!義母からは、(昔、麦飯を食べさせられたのに、ここにきてまた麦を食べさせられるなんて…)と言われてしまいましたが、繰り返し話しをして、今は体調の変化とともに納得してくれています。
大麦の良さは食物繊維を多く含むことです。それも水溶性食物繊維が100g当たり6.0gも含まれるのです。健康効果を得たいなら食物繊維の摂取量を50g/日を目標にしたいところです。日本人の平均食物繊維摂取量は、1950年頃には一人あたり一日20gを超えていましたが、穀類・いも類・豆類の摂取量の減少に伴い、低下している現状です。最近の報告によれば平均摂取量は一日あたり14g前後と推定されています。目標の50gにはほど遠いですよね。
精白米(うるち米)、玄米、押麦(大麦)の成分値を比較してみました。(可食部100g当たり/七訂食品成分表より)玄米はミネラルやビタミンが精白米より多く含まれていることがわかります。これは白米(胚乳)のまわりにある糠に含まれているものです。ビタミンEが多いのも特徴です。ビタミンEは抗酸化作用がありますから、果実や種子類が身を守るために、皮の部分や殻の部分にはこうした抗酸化作用のある栄養素が含まれているのは自然の摂理なのです。米ぬか油にはビタミンEが多く含まれているため酸化しにくく、高温調理に向いています。精白米と押麦はほぼ同値でしたが、押麦には食物繊維の量が多く含まれていることがわかります。同じ茶碗1杯(150g)のご飯を食べた場合、白米だと食物繊維は0.5g未満ですが、押麦を三割混ぜ込むことで食物繊維量は2.2gも摂ることができるのです。ただ同じように茶碗1杯のご飯を食べるだけで食物繊維の摂取量が増やせるのです。

大麦は米に次ぐ主食として古くから食べられてきました。日本人の五穀は、米・麦・ひえ・あわ・大豆と言われています。大麦を煎って煮出して作る「麦茶」は馴染み深いですね。
食物繊維についてみてみましょう。食物繊維には水溶性と不溶性があります。下の表は、食物繊維が多いと言われる食材の食物繊維量です(可食部100g当たり/七訂食品成分表より)。ごぼう・玄米・さつまいもは不溶性食物繊維が多いのに対し、押麦は水溶性食物繊維の方が多いことがわかります。

この水溶性食物繊維は難消化成分として腸に到達し、腸内微生物の分解酵素によって消化され、微生物に取り込まれ代謝されて、発酵産物として「短鎖脂肪酸」を産生します。「短鎖脂肪酸」というのは結合炭素数が7以下の脂肪酸のことですが、自然界の食物にはほとんど含まれていません。腸内細菌によって作り出されるものがほとんどで大腸の必須栄養素となっています。酢酸(酢の主成分)、プロピオン酸(ブルーチーズのすっぱさや香りのもと)、酪酸(バターの香りのもと)などがあります。
短鎖脂肪酸の主な生理作用は3つ。
(1)ミネラル吸収促進作用:大腸発酵の促進はミネラル吸収促進になります
(2)コレステロール合成抑制作用:水溶性食物繊維を習慣的に摂ることでフレッシュな一次胆汁酸を増やすことができます
(3)大腸ガン発症抑制作用:古くなった二次胆汁酸を排泄させるため大腸がん発症抑制になります
水溶性食物繊維を毎食一定量摂り続けることで、確実に腸内細菌叢(腸内フローラ)は変化します。その変化が体調・肌の調子・活動に現れてきます。
義父も、義母も、主食を変えて約3ヶ月が経過し、体の不調が少しずつですが良い方向へ変化していることを実感しているようです。具体的な改善内容はあえて記載しません。個人個人で変化は異なりますので。
「ローマは一日にして成らず」。
毎日の積み重ねが大事ですよね。
(過去記事はこちら→しいなゆきこ『体質は毎日の積み重ね』)


