しいなゆきこ『夫の親を介護する嫁は1割⁉︎』

先日、Twitterでこんな記事を見かけました。

「女性や嫁が行う時代は終焉…常識に縛られない自由な介護を|日刊ゲンダイDIGITAL」記事は→こちら

この記事によると、

「ひと昔前までは、介護は女性がするもの、嫁が行うものという時代もありましたが、現在、主な介護者の男性の割合は4割に迫る勢いです。厚労省が発表した『国民生活基礎調査』によると、16年の介護者全体に占める『子の配偶者(嫁や婿)』の割合はわずか9・7%しかいません。つまり、嫁が介護をする時代はもう終わっているのです」

—「女性や嫁が行う時代は終焉…常識に縛られない自由な介護を|日刊ゲンダイDIGITAL」記事より抜粋

夫の義両親と同居介護している私って奇特な9.7%なのねと、驚きました。

私の母もやおば達が親を介護する姿を見て育ったので、何の抵抗を感じることなく今の介護生活に入りましたが、世の中がどう変化しているのか調べてみたくなりました。

国民の現状を調査するものがあるはず!と探してみたところ、厚生労働省が3年ごとに国民に対して実施している「国民生活基礎調査」がありました。

この調査は、保健、医療、福祉、年金、所得等国民生活の基礎的事項を調査し、厚生労働 行政の企画及び運営に必要な基礎資料を得ることを目的とするものであり、昭和61年を初年 として3年ごとに大規模な調査を実施し、中間の各年は簡易な調査を実施することとしてい る。平成26年は中間年であるので、世帯の基本的事項及び所得について調査を実施した。

—厚生労働省「国民生活基礎調査の目的」

この「国民生活基礎調査」の調査結果のデータを元にして内閣府が発行している「令和元年版高齢社会白書」というものを見つけました。参照→こちら です。

その中の「第1章 高齢化の状況 → 第2節 高齢期の暮らしの動向 →2 健康・福祉」の項目(参照→その1 、その2) の部分を読み解きたいと思います。

掲載しているグラフは「令和元年版高齢社会白書」より抜粋しています。

 

こちらは厚生労働省の「介護保険事業状況報告(年報)」(平成28年度)の資料です。

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高齢社会と言われる今、65歳以上の要介護認定者の推移を表したグラフです。2007(平成19)年に比べて2016(平成28)年には増加していることがわかります。

 

次に、厚生労働省の「介護保険事業状況報告(年報)」(平成28年度)より算出した表です。

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65〜74歳と75歳以上について要介護の認定状況を比べると、明らかに割合が増えていることがわかります。

 

厚生労働省「国民生活基礎調査」(平成28年)の資料です。

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要介護となった主な原因は何かを見てみると、

1位「認知症」…18.7%

2位「脳血管疾患(脳卒中)」…15.1%

3位「高齢による衰弱」…13.8%

4位「骨折・転倒」…12.5%

といった順番になっていることがわかります。また、男女別の違いは、男性が「脳血管疾患(脳卒中)」が多いのに対し、女性は「認知症」が多くなっています。

 

では要介護となってしまった場合に誰に介護を頼みたいのか?

内閣府が55歳以上を対象に実施した「高齢者の健康に関する調査」(平成29年)

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1位 配偶者

2位 ヘルパーなど介護サービスの人

3位 子

4位 子の配偶者

となっていました。

男性は、「配偶者」要するに妻に介護をしてもらいたいのに対して、女性は「ヘルパーや介護サービスの人」「子」に介護をしてほしいと思っているようです。

我が家の場合、義両親は「ヘルパーや介護サービスの人」は遠慮したいという意向があったので、子と子の配偶者が介護に当たっています。

 

では、実際の介護者の続柄を見てみましょう。

厚生労働省「国民性格基礎調査」(平成28年)のデータです。 

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 介護者の約6割が同居者であることがわかります。

その内訳は、配偶者が最も多くて25.2%、次いで子が21.8%、子の配偶者が9.7%となっています。

この9.7%が冒頭の日刊ゲンダイの記事の根拠となった数字です。そうです、今やお嫁さんによる介護は1割しかいないのです。

さらに、男女別、年齢別と読み解いていきます。

要介護しゃと同居している主な介護者の年齢は、60歳以上が、男性では70.1%、女性では 69.9%であることがわかります。

以前の我が家のような老老介護が7割近く存在し、かなりの割合で老老介護があることが読み取れます。我が家もそうでした。今年の5月に同居介護生活をするまでは、近所から通い介護でした。義母の介護のメインは義父でまさに老老介護の状態でした。男性ゆえ行き届かない部分もあり、また義父の体力と精神面に限界がきていたため、夫の実家に同居引越しをし、子の配偶者である私が義母の介護者メインになりました。すると、体力・精神面で限界のきていた義父も安堵からか体調を崩し、まさに危機一髪の状態でした。

 

厚生労働省「国民生活基礎調査」介護時間の移り変わりのデータです。

 

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2016(平成28)年の調査では、同居しているメイン介護者が1日に要する介護時間はと、「必要なときに手をかす程度」が半数弱で、「ほとんど終日」が2割となっています。その割合は要介護度が上がるにつれ割合が「ほとんど終日」の割合が増えて行くのがわかります。

我が家の場合、義母は要介護4なので、この中では「半日程度」に入るように思います。というのも、自立を促す気持ちで介護に接しているので、極力自分でできることは見守り、手をかさないようにしています。それに加えて義父も一緒に手伝ってくれるので、私の負担が少なく済んでいると思います。

 

 

総務省「就業構造基本調査」の資料です。

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家庭によって介護の状況や介護時間は異なると思いますが、やはり介護者にかかる負担は大きいです。それによって「介護離職」ということが問題になっているのも頷けます。決して一人で抱え込まずに、周囲に助けを求めたり、ヘルパーや介護サービスなどをうまく取り入れ、利用しながら自分のことも大切にしてほしいなと、昨今の悲しいニュースを見るたびに思います。もちろん私も同じです。家族に助けてもらったり、話を聞いてくれる友人がいたり、ケアマネージャーさんをはじめ、携わってくださる方達と連絡を取り合っています。

「うちは親の面倒見なくていいんだ〜」「ゆきちゃんが見る必要なくない?」という友人が多いなか、タイムリーに親の介護について話せる友人の存在は本当にありがたいものです。

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この週末は、夫に家と義両親を任せ、終日仕事に出かけました。日頃は自宅がオフィスなので、こんなに家を空けたことは同居してから初めてかもしれません。というのも、最近までずっと義両親が代わる代わる入院や手術があったりして、手も目も離せないような状況が続いていました。ようやくここ最近落ち着いてきたところなのです。

何が正解で、何が不正解、なんてないと私は思っています。家庭によって事情も異なりますし、要介護の度合いも異なります。ですから、私の選択が我が家では最善だったということに過ぎません。たとえ1割だったとしても、他の人と違っていてもいいと私は思います。隣の人と同じ選択をしなくてはならないという理由はありません。いろんな家庭、いろんなスタイルがあっていいと思うのです。

常に最善の方法を考え、選択し、受け入れ、サポートしながら、みんなが、よりよい豊かな人生を過ごしてほしいと思います。

 

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