わたしの実母も、親戚の叔母たちも、皆、親(実両親/義両親)の介護をしてきました。身近にそういった家族のスタイルを見てきたので、介護をするという概念はなく、わたしの中ではごくごく自然なことと受け止めています。とはいえ、核家族が多くなり、また世の中の変化とともに「介護」という言葉が大きなものとして世の中にあるように感じています。
先ほども書いたように、わたしの中では「介護」という言葉ではなく、ただ「お手伝い」程度の認識にすぎません。そんなお手伝い認識のわたしが見つけた介護のポイントを記録してみたいと思います。自宅介護をしている方、これから考えている方のお役に立てれば幸いです。

今の日本では、高齢者の生活の場として2つのものが用意されています。
①自宅:住み慣れた自宅で、家族や地域ボランティアによる援助や見守りのもとに生活します。住宅のバリアフリー化など生活環境の整備をしながら、地域全体で高齢者の生活を支援します。 要支援/要介護度・家族の状況・本人の希望等に応じて、訪問介護サービス・デイサービス・ショー トステイを活用しながら生活します。また、通い・訪問・泊まりのサービスも組み合わせることができる小規模多機能型の事業所も利用できます。
②施設:要介護の認定を受けた方が入居できる施設、医療ケア+介護が提供される施設、諸事情により自宅で生活することが困難な方が入居できる施設、認知症の方が利用できる施設など、目的や提供するサービスの違い等によって様々な施設があります。どんなサービスを受けたいのかを明確にすることで利用する施設が異なります。ケアマネージャーさんが相談に乗ってくださいます。
自宅で生活をするのか、施設を利用して生活するのか、どう暮らしていきたいのかによって生活の場は異なりますが、一般的に人の生活には3つの要素があり、それらが満たされると満足し、豊かな生活と感じることが多いように思います。
3つの要素とは、①身体的活動(動くこと)、②社会的活動(関わること)、③精神的活動(考えること)です。これらの要素に常に触れながら、社会とのつながりや社会の中での役割をもちつつ、高齢者がいきいきと活動することを支援するという視点を「介護」に盛り込むことが重要かなと思っています。


わたしの好きな偉人、ナイチンゲールの言葉を紹介します。
「看護とは、新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静かさ、などを適切に整え、食事内容を適切に選択し適切に与えること ― こういったことのすべてを、患者の生命力の消耗を最小にするように整えること、を意味すべきである」—F.ナイチンゲール(1820~1910)の著書『Notes on Nursing』(1860)
つまり、医療も看護も介護も、すなわちケアの根底にある原理は同じだということです。
ただ単に、食事を用意すればいい、お風呂に入れればいい、オムツを変えればいい、そういうことではないと思うのです。新鮮な空気、陽光、暖かさ、清潔さ、静けさ、適切な食事内容を適切に整えて与えることは、わたしがこのブログで唱えている、人としての基本「衣食住」であり、人生を豊かにすることにつながります。
例えば、日常の中でウェイトを占める5つの動作(行動)について、わたしなりに自宅介護のポイントをまとめてみました。
(1)身支度
人は他者や社会と関わるときに身じたくを整えようとします。そして衣服は、危険物等から身を守る、体温を調節する、清潔を保つなど、生活を送るうえで重要な役割を果たしています。季節や気温に配慮しながら、好きな衣服を着る。お気に入りの服を自分で選んでもらい、その日の季節や気温を配慮してアドバイスをします(例:お気に入りの服の上にカーディガンを羽織ってもらう)。高齢者は暑さや寒さに対する感覚が鈍くなりがちですので、自力での体温調整が難しくなります。季節やその日の気温や室温に応じて、衣服の素材や着る枚数を調整することは、高齢者の健康の維持につながります。また、着脱行為の一部が できない場合には、できない部分のみをお手伝いし、残りは自身での着脱を促すようにしています(例:腕を通すお手伝いだけして、ボタンなどはチャレンジしもらう)。麻痺など身体的不自由があって も着脱しやすいように衣類を工夫してあげる(例:素材・形・大きなボタンやマジックテープの活用、ズボンの紐をゴムに変えてあげるなど)だけで自立を促します。
(2)移動
歩くことが困難だからといって動かないようでは、ますます歩けなくなります。高齢者の横や半歩後ろから支えるように付き添うこと。自立を促すように、高齢者のペースで歩くようにする。段差などは注意を促し、とっさに身体を支えられるような場所・体勢を常にとっておくこと。外出の支援は、高齢者が快適かつ安全で楽しく過ごすことができるように、目的地までの移動環境/手段の確認、健康状態のチェック、上着や着替えの準備、移動中の安全性と快適さの確認、様々な場面を想定しながら準備しておく必要があります。状況に応じて車椅子や杖、歩行器等の福祉用具を準備するといいですよ。
(3)食事
自分でお食事を食べられるということは、食事の時間を楽しむことにもつながります。自分で食べる場合と、 誰かに食べさせてもらうのとでは、同じものを食べても味わいが違います。また、一人で黙々と食事 をするのではなく、家族や介護者、高齢者同士で会話を楽しみながら食事をすることは生きる喜びや楽しみにつながります。長く生きてきたからこそ、生まれ育った食文化や行事食、季節の食べ物を使ったメニューにしてあげたり、食べやすい大きさ、かたさ、形態(普通食、ソフト食、ゼリー食)、食欲をかきたてる彩と盛り付け、食べやすい提案(例:スプーン、姿勢の安定クッションなど)など、工夫をしてあげることで、食事を嫌がらずに楽しんで食べるようになります。この辺りは栄養士ですので、専門分野のため得意かもしれません。
(4)排泄
排泄は極めてプライベートな行為であり、人間の尊厳を保つ上で重要な行為です。そのため自立支援を重視します。また、排泄物は心身の健康状態を表すバロメーターですので、回数や排泄物の観察もするようにします。必要以上に薬を多用せず、高齢者自身の尿意・便意を大切にしながら自然な排便ができるように配慮します。便秘気味であれば、日常の食事の水分量を見直したり、 腹部のマッサージをします。オムツを嫌がるときは無理強いをせず、トイレの声かけをしてあげたり、ポータブルトイレを導入するのも一案です。万が一、失敗してしまっても高齢者の恥ずかしい気持ちや尊厳を読み取ってあげるようにします。焦らずに取り組むことをおすすめします。
(5)入浴
清潔を保つことで細菌感染等の予防につながることはもちろん、血液やリンパの循環を促進したり、疲労回復や心身のリラックスにつながります。また、高齢者は代謝が落ちたり、関節の可動域が制限されていますが、シャワーで代謝が活発になり、楽に身体を動かせるようになることもあります。シャワーや清拭する時に高齢者の肌の状態や筋肉の状態の観察をします。無理に入浴やシャワー浴をする必要はなく、身体状況に合わせた清潔の方法を取流ようにします。手足を拭くだけてもOKです。入浴中は全裸になるため、羞恥心を持つ高齢者が多いと思います。ですから、背中や頭髪など手の届かない部分は洗ってあげて、高齢者が手の届きやすい部分(お腹やお股)は自分で洗うように促すといいと思います。また浴槽に入る時など足を上げるの動作は、「右足あげて〜」と言葉で伝えても理解しにくいので、右足をトントンと軽く叩いて教えてあげるとわかりやすいです。
相手を思いやる心のゆとりをいつも持っていたいですね。




介護の経験はありませんが、介護される身になるとどうしたら良いのか分かりません。参考にさせていただきます。有難うございました。
いいねいいね: 1人
コメントをいただきありがとうございます。
そうですね、介護される立場になって考えてみると新しい発見があるかもしれませんね。
拾いところがあれば幸いです。
いいねいいね