しいなゆきこ『家族に食べてほしい食事』

食事ってなぜするの?

食事って聞いて、どんなことを思いますか。

美味しいもの、楽しい時間、苦痛な時間、嫌いなもの食べるのが嫌だな、ひとりのご飯、家族団欒、いろいろ浮かぶと思います。

以前、記事にも書きましたが、私が子どもの頃は好き嫌いが多く、かなり躾に厳しい両親のもとで育ったので、食事の時間は苦痛でした。なんなら食べなくてもいい…と思うほど食事は嫌な時間でした。(この記事はこちら→しいなゆきこ『子どもの偏食について—4つのポイント』

私の話はさておき、人が食事をとる最大の理由は栄養を体に取り入れることにあります。

人の体の構成比は、性別・年齢などにより違いはありますが、概ね平均で、水が50〜70%、次いでタンパク質が15〜20%、次に脂質が13〜20%、ミネラルが5〜6%、糖質がわずか1% から構成されています。やはり水が半分以上を占めているのです。そしてタンパク質が体を構成する主成分です。そして脂質(油)はエネルギー源のほか、細胞膜の主成分であるという重要な役割を持っています。脂質の選び方って本当に重要なのです。ミネラルは体の働きを調節する役割のほか、構成成分として微量ですが多くの種類が必要です。糖質は主にエネルギー源として。体内ではグリコーゲンとして存在しますが、体の構成比率としてはわずか1%足らずなのです。

これらの物質をさらに分解すると、水は水素Hと酸素O。タンパク質は水素H、酸素O、炭素C、窒素N、硫黄S。脂質と糖質はともに水素H、酸素O、炭素C。ミネラルは多種類ありますが、多いもので、鉄Fe、カルシウムCa、マグネシウムMg、リンP、ナトリウムNa…ほか、まだまだたくさんあります。

元素記号がずらりと並びましたが(元素記号大好きです!)、これらのものから体が作られているということなのです。そして、それらの材料を私たちは食事から摂り、吸収されたものから体は作られています。これが食事で栄養を摂るということなのです。このことはとても大事な生命活動ですが、食事にはそれだけではないもっと重要な要素があると私は思っています。

 

体の栄養よりももっと大事なこと!

食事をする場面にはどんな場面がありますか。

例えば、家族で食事をする場面、学校の給食の時間、友達と過ごすランチタイム、仕事終わりのディナータイム、気のおけない友人との居酒屋、…これらを思い浮かべてみてください。

例外もありますが、ほとんどの場面にコミュニケーションが存在していると思います。それは楽しいコミュニケーションであることが望ましいのですが、時には喧嘩になってしまったり、お説教になってしまったりすることもありますよね。私も子どもの頃、食事の時間によく父親からゲンコツをもらっていたので、しょっぱい涙味の夕食をよく覚えています。そんな時のご飯ってあまり美味しくなかったです。

そう、その食事の場面での雰囲気が美味しさにつながる大事な要素なんですよね。楽しく会話をしながらとる食事は「美味しい!」と感じることでしょう。一人で食べるご飯よりも、みんなで食べるご飯は美味しいと感じたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は、この食事から得る心の充足(栄養)は体の栄養に匹敵すると私自身感じています。楽しいコミュニケーションから得るのは、満足感、充足感、安心感、協調性、知恵…など、一人で食事をする時には得られない多くの経験が含まれています。

子どもの頃の家族団欒は、これから多くの経験をする子どもにとっての勇気にもなるし、安心感にも繋がります。子どもに限らず誰もが、生きる楽しさを感じ、居場所に安心感を覚え、つまずいてもまた頑張ろうと思える勇気になります。食事の及ぼす影響ってすごいですよね。

 

手作りの食事が与えるもの

手作りの食事に勝るものはないと思っています。特にこれから成長する子どものためには手作りが一番。その理由は、手作りをすることで、加工工程に付加される添加物など本来入れなくてもいいものを摂らずに済むこと。添加物を入れる主な理由は、安く簡単な工程で作るため、日持ちをさせるため、見た目をよくして買ってもらうため、などで本来なくていいものがほとんどなのです。添加物が入らない方が美味しいですしね!

それから、手作りをするということは料理をする姿を子どもや家族に見せることになります。トントントンと材料を包丁で刻む音。ジューっと焼く時の音。クツクツクツと鍋の中で煮える匂い。こうしたものは五感を刺激します。この五感の刺激は、特に子どもにとって大きな影響を与えます。無意識のうちに記憶として残り、生きる力や勇気となるのです。

365日毎日手作りをしろという話ではありません。時には外で買ってくる日があってもいいと思います。外食の日があってもいいと思います。もちろんそこには楽しいコミュニケーションを食卓に並べてください。

手作り、外食、中食(テイクアウトのこと)。どれでもいいんです。要は、体の中に取り入れる食事に「作り手の愛情」があるものを食べて欲しいなと思います。手作りがもちろん一番ですが、何もたくさんの品数を並べろということではありません。一汁一菜だっていいのです。立派な手作りの食事です。心を込めて作られたものであること、そこに作り手のあたたかさを感じるような食事であれば、それが一番なのです。テイクアウトをする日もあるでしょう。外食をする時もあるでしょう。その食事もできれば、作り手の想いやあたたかさ、愛情を感じるような食事を選んで欲しいなと思います。

私事ですが、高齢の義両親にお惣菜を届けています。義母の体が不自由なので調理をすることができません。義父がお店で食べたいものを買ってきて食事をすることもあるのですが、手作りの食事を食べて欲しくて届けています。お惣菜を囲んで、楽しそうに夫婦で会話をしながら食事をする義両親の姿を見ると安心します。

ある日のお惣菜です。大切な家族には心を込めた食事を食べてほしいです。

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