「インフルエンザが流行しています」という声が聞かれる頃になると、受験を控えている方は神経が張り詰めたような気持ちになると思います。かつての私(もう何十年も前の話ですw)も高校受験・大学受験を経験してきて、同じ気持ちを味わいました。受験生のご家族もさぞ体調管理に気を配っていらっしゃるかとお察しします。
体調管理は受験生に限らず、社会人になってからも大事な任務なのです。知恵熱程度の突発的なものから、インフルエンザのように1週間近く欠勤しなくてはならないものまで、どれも仕事をしている社会人にとっては困り者です。自分自身の仕事も止まりますし、関連した部署に迷惑もかかります。空けてしまった業務を埋めてくれる方もいるでしょう。

「体調管理も仕事のうち」
かつての自分自身の苦い経験を糧に、以来、この信条を大事にしています。「体調管理も仕事のうち」。そう、お給料のうちなのです。会社勤めの方は誰か他の方が空けてしまった業務を埋めてくれるかもしれませんが、個人経営の方に代理はいません。業務を空けてしまうことは信用問題にもなりかねないのです。
では、体調管理ってどういったことなのでしょうか。どういったことに注意すればいいのでしょうか。
体調を崩すことは決して悪いことではありません。体調を崩すというのは実は「カラダからのサイン」だからです。(何か不具合が起きているよ!)というカラダからのメッセージ。このメッセージを無視してしまったり、放置すると大病に繋がってしまうのです。どんな小さな声もしっかりと受け止め、それに対して、「なぜだろう?」と考え、対策を取ることが体調管理の極意だといえます。えっ、どっかで聞いたような話⁈
例えば、あるところで大きな事故が起きたとします。その付近の住民は、何年も前から異常を察知していて、役所に訴えていました。しかし、役所はその住民の声を無視し、放置していたところ、大きな事故が起きました。専門家が事故を分析したところ、何年も前から兆候があったはずだと。…よくありがちなストーリーだと思いませんか。カラダのサイン(メッセージ)もこのストーリーと同じことがいえるのです。
風邪やインフルエンザの4つの対策!
とはいえ、兎にも角にも受験対策としての体調管理。この時期においての風邪やインフルエンザ対策をお伝えします。
⑴インフルエンザウイルスが活発にならない環境づくり=湿度をあげる、換気をする
インフルエンザウイルスは湿度が低く乾燥した環境で長生きするため、日本では12〜3月に流行します。この時期の日本は気温が低く、空気が乾燥しているため、人のカラダ・鼻やのどの粘膜が弱っています。さらに年末年始の人の移動に伴い、ウイルスが全国的に拡散しやすい状況にもあるのです。これが12〜3月にインフルエンザが大流行する理由です。このことから考えれば、加湿器の使用や、室内に洗濯物を干す、部屋で鍋料理をして加湿する、ストーブにやかんをかける…など、湿度をあげることと、汚れた室内の空気を定期的に換気する事が対策の1つとなります。冬に鍋料理を楽しむというのは寒いからだけではなく一理あるのです。
⑵ウイルスを除去する方法=手洗い・うがい、まめに水分補給、マスクで除菌&保湿
室内にいても、外出をしても、無菌室で過ごさない限りウイルスは人体に付着したり、侵入してきます。ですからしっかりと手洗いをして、手についたウイルスを洗い流す事。水でチャッチャッと流すだけでなく、指の間もしっかりと洗い流しましょう。口腔内に入ったウイルスは歯磨きやうがいをする事で一部除去できます。一日中うがいや歯磨きをするわけにも行かないので、30分おきに水分補給をすることで、のどについたウイルスを流し込むことができます。流し込まれたウイルスは胃酸で殺菌されます。マスクの是非はあると思いますが、私個人の意見としては、除菌という意味合いより冷たい外気を防ぎ、自己加湿の有効性を重視しています。よほど高価で防菌効果のあるマスクを正しく装着していない限り、ある程度ウイルスは侵入します。ですからウイルス除去の効果よりも、マスクをすることで冷たい外気に直接触れないことと、マスクをつけていることで自分自身が加湿器の中にいるような状態と同じになること。この効果の方が大きいと思います。冷たい外気に触れると粘膜は弱ります。健康な粘膜は異物を除去しようと自ら働きますが、冷たく乾燥した外気に触れるとその機能が低下してしまい異物やウイルスが侵入しやすくなります。加湿については前述の通りです。
⑶カラダの免疫機能を高機能にする=体温をあげて、必要な栄養素を十分に摂る
そもそも人のカラダには高機能な安全装置が標準装備です。どんな時でも、ある一定の状態を保つ生体の恒常性というものがあり、体温であったり、血圧であったり、一定に保つようになっています。そのために免疫システム(サイトカイン)、内分泌システム(ホルモン)、神経システム(神経伝達物質)が連携してカラダの安全を守っています。そのシステムからのメッセージが「体調」なのです。連携システムの中で、異物やウイルスと真っ向勝負するのは免疫システムです。いわばカラダの警備員のようなものです。この警備員(白血球やリンパ球)がカラダの中に侵入してきたウイルスや細菌から常に命を守ってくれています。この警備員(免疫システム)を大いに発揮するには、①笑う(笑うとIgA濃度が上がります)②温める(冷えは万病の元、免疫細胞にも活動しやすい温度があります)③楽観的に(ストレスを感じている状態では免疫細胞も力を発揮できません)④適度な運動(適度にカラダを動かすことは血行を良くし、免疫細胞を活発にします)⑤必要な栄養素をとる(偏った食事ではなく、カラダが必要としている栄養素をとる)
※IgAとは、粘膜面で外敵の侵入を防ぐ働きをしています。IgAは特定のウイルスや細菌だけでなく、様々な種類の病原体に反応する(くっつく)守備範囲の広さが特徴です。IgA濃度が低下すると病気にかかりやすいくなります。
⑷ウイルスと十分に闘える体力づくり=睡眠をとる、必要な栄養素を十分に摂る
免疫力と睡眠は関係が深いのです。それは、睡眠中に免疫力(=抵抗力)が維持・強化されているからです。そのために、睡眠時間が十分に取れない状態が続くと、カラダの抵抗力が落ちて、風邪やインフルエンザにかかりやすくなります。風邪やインフルエンザにかかったときに、とても眠くなるのもそのためです。ウイルスが侵入し、免疫システムが働きサイトカインを出します。それによって熱に弱いウイルスを殺すために体温を上げ、それの作業に専念するためにカラダを休ませようと眠気を感じるのです。また、睡眠不足になるとストレスを強く感じるようになります。ストレス状態では免疫活動は力を発揮できませんし、自律神経のバランス(交感神経と副交感神経)を崩して免疫力低下に繋がります。
必要な栄養素を十分に摂るというのは前述でも触れましたが、私たちのカラダは食べたものからできています。カラダのパーツそれぞれは必要な栄養成分から作られ、構成され、カラダを作っています。警備員である免疫細胞もタンパク質からできています。つまり、栄養不足では闘えるカラダが作れないということになるのです。
風邪をひきやすい、ひきにくい。インフルエンザになった。誰からうつされた? 誰々からうつされるかも? —そんなことを考えたり、案ずる前にまず自分自身のことから。
自分自身の不安や劣等感を誰かのせいにしたり、誰かを巻き込まずに、自分自身をしっかりと見て、知ることからです。
今日を丁寧に、そして大切に。手の中にあるものを大事に。



